社会保険労務士法人 ロームのお役立ち情報

2019.08.30

退職代行サービスの対応法と利用者を出さない効果的な予防対策

  • 社員が急に退職代行サービスを利用して困っている
  • 社員が退職代行サービスを利用しないか不安
  • 社員が退職代行サービスを利用しないようにする方法を知りたい

この記事はそんな悩みを持つ社長さま・人事部長さまに向けて書いています。

最近、「退職代行サービス」が話題になっています。

正直、社長さま・人事部長さまからしたら、嫌なサービスですよね。退職するなら、やっぱり本人に退職理由を聞いて、解決できるなら引き留めたいものです。

そもそも、人手不足に陥りがちな現代、一人でも辞められると辛い会社も少なくありません。

この記事では、3つのお話をします。

  1. 退職代行サービスを利用した社員の引き止めることができるのか
  2. そもそも退職代行サービスを利用する社員を出さなくするための「予防対策
  3. 実際に退職代行サービスを利用する社員が出た場合に解決すべき重要なこと

 

この記事を読んで、退職代行サービスの利用防止するためのヒントをつかんで下さい。

1.退職代行サービスを利用された場合、引き留めることができるのか

残念なことに「期間契約社員が期間の満了を待たずに一方的にやめる」などのケースを除いて、退職代行サービスを利用した時点で、その社員の退職を取り消せるケースはほとんどありません。

社員の退職を引き止めることができない以上、そもそも退職代行サービスを利用する社員を出さないようにする予防対策を打つことが大切です。

1-1.期間契約社員が期間の満了を待たずに一方的に解約申請してきた場合の対応

期間契約社員が労働契約の期間から1年を経過している場合を除いて、雇用側は期間の満了を待たずに退職を認める必要はありません

1-1-1.一方的に退職した場合、損害賠償を請求することができる

退職を認めなかったにも関わらず、期間契約社員が期間の満了を待たずに一方的に退職した場合、損害賠償を請求することができます。

しかし、企業側にも過失がある場合(パワハラがあった等)請求が通らないこともあります。当事者目線では、気づかない過失やそもそもどれが過失にあたるのか分からないケースも多いでしょう。

損害賠償の請求が通るのか気になる場合、信頼できる社会保険労務士に相談するのが手堅いでしょう。

【民法上の退職時のルール】

動画で民法上の退職時のルールについてカンタンに解説しています。ご興味のある方は、こちらのリンクからご試聴ください。
退職代行サービスの対応法(動画時間4:09~7:31)

2.退職代行サービスを利用する社員を出さないための効果的な予防対策

退職代行サービスを利用する社員を出さないために効果的な予防対策は「就業規則を改定し、退職代行サービスの利用を禁止する」ことです。

この方法を行えば、退職代行サービスの利用者が今後出にくくなりますし、万が一出た場合でも就業規則に記載した処置・罰則を科すことができます。

「就業規則の改定」する上での2つのポイントについてお話します。

就業規則の改定ポイント①:「引継ぎ条項」も加えること

従業員が退職代行サービスを利用してやめた場合、「引き継ぎ」をせずにお客様の信頼を失うケースもあります。

そこで、就業規則に「引継ぎ条項」も加えることで、代行なしに退職した場合でもしっかり引継ぎをしてから退職してもらえるようになります。

そのため、就業規則の改定をするなら「引継ぎ条項」を加えましょう。

就業規則の改定ポイント②:信頼できる社会保険労務士に依頼する

就業規則の改定ポイントの2つめは、信頼できる社会保険労務士に依頼することです。

以下のような理由があります。

  • 就業規則の文章は法律的な言い回しで記載する必要があり難しい
  • 就業規則の改定に法律の知識が必要
  • 就業規則の作成が得意な社会保険労務士に頼めば、他の訂正や追加するべき項目まで改定できる

そのため、自力で就業規則の改定をするのは難しいです。就業規則を改定する場合、〝信頼できる〟社会保険労務士に依頼しましょう。

3.就業規則の改定だけしても根本的な解決にはならない

就業規則の改定で規則を作成し、退職代行サービスなどの迷惑行為をできなくすることはとても大切です。

仮に作成してなかったら、会社に迷惑行為をかける問題社員から真面目に働く社員と会社を守ることができなくなってしまいます。

しかし、規則を作成し退職代行サービスの利用をできなくしても、根本的な問題は解決していません。

なぜなら、真に取り組むべき課題を解決していないからです。

退職代行サービスは、5万前後かかる場合が多いですが、大金を払ってまで自分で退職を申し出したくなかったのには理由があります。

そして、その理由から逆算すれば、あなたの会社が取り組むべき課題が見つかります

例えば、以下のような課題が見つかります。

  • 理由例①:退職の申し出をしずらい雰囲気があった
    原因:会社の雰囲気に問題あり
    取り組むべき課題→いい雰囲気作り・定着率アップ

  • 理由例②:退職した人物がコミュニケーション能力が低く、自ら退職の申し出をできなかった
    原因A:トラブルを引き起こす問題社員になりそうな人物からの応募が多い
    原因B:そもそも求人の応募が少ない
    取り組むべき課題→求人方法や労働条件の改善。求人ターゲットを見直す等


このような課題を放置して、表面的な問題である「退職代行サービスの利用」だけを解決しても根本的に会社は良くならないでしょう。

あなたが「会社の業績を改善したい」「会社を建て直したい」「もっといい会社にしたい」「儲けたい」などの想いがある場合、根本的な課題を解決をするべきです。

とはいえ、

  • 「定着率アップや求人方法の改善と言われてもどうしたらいいか分からない」
  • 「何から手を付けていいのか分からない」

という方も多いと思います。

そのような方はロームまでご相談ください。人事労務のプロがあなたの悩みを解決させて頂きます。

電話番号:053-444-4604

また、人手不足にお悩みの方は、こちらの記事を参考にしてください。
人手不足解消!選ばれやすくなる採用方法と人手不要になる業務改善法

まとめ

最後に、この記事をまとめさせて頂きます。

  • まとめ①:退職代行サービスを利用した退職は引き留めることができない
    ただし、期間契約社員が期間の満了を待たずに退職(解約)の申し出をした場合、基本的には退職を認める必要がない

  • まとめ②:就業規則を改定し、退職代行サービスの利用を禁止する」ことが、退職代行サービスの利用を抑える効果的な予防対策

    ・就業規則の改定による予防は大切(企業と頑張る社員を問題社員から守ることができる)
    ・就業規則に「引き継ぎ条項」を加える安心
    ・就業規則の改定は、信頼できる社会保険労務士に依頼すること

  • まとめ③:退職代行サービスを社員が利用した場合、根深い問題がある可能性が高い
    ・しかし、就業規則の改定だけしても根本的な解決にはならない
    ・根本的な問題の解決方法に悩んだら、私たちロームに相談するのがオススメ

お読み頂き、ありがとうございました!この記事が、あなたが抱えている問題を解決する一助となれば幸いです。

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