
近年、中小企業の採用現場で増えている深刻な悩みがあります。
それは――
**「内定を出したのに、親の反対で辞退された」**というケースです。
採用活動に多くの時間とコストをかけたにもかかわらず、入社直前に“親が反対しているので…”と辞退される。
実際にこうした事例は年々増えています。
この背景で注目されているのが、いわゆる 「オヤカク(親確認)」 です。
しかし、経営者の中には次のような疑問を持つ方も多いでしょう。
親への連絡は本当に必要なのか
個人情報やコンプライアンスの問題はないのか
もし対応を誤れば、
- 採用辞退の増加
- 企業イメージの低下
- 個人情報トラブル
といったリスクにつながる可能性もあります。
この記事では、
**マイナビ「2025年度 就職活動に対する保護者の意識調査」**のデータを踏まえながら、
中小企業が知っておくべき「オヤカク」の実態と実務対応を、社会保険労務士の視点から解説します。
オヤカクとは?採用現場で広がる「親確認」
オヤカク(親確認)の意味
**オヤカク(親確認)**とは、
企業が採用内定者に対して「保護者が入社に同意しているか」を確認するプロセスを指します。
具体的には、
- 内定通知後の保護者向け資料送付
- 保護者への会社説明
- 電話や書面での確認
など、さまざまな形があります。
以前は大企業中心の取り組みでしたが、近年は中小企業の採用でも注目され始めています。
マイナビ調査で分かった「親の本音」
マイナビが実施した調査では、就職活動を経験した学生の保護者1,000名を対象に企業からの連絡についての意識が調査されています。
結果は次の通りです。
- 46.2%が企業から内定確認の連絡を受けた
- 約7割が「良い印象」と回答
つまり、「親に連絡する=悪い印象」ではないということです。
むしろ、
「きちんとした会社」
「丁寧な企業」
という評価につながるケースも少なくありません。
この点は、中小企業の採用戦略として非常に重要なポイントです。
オヤカクの本当の目的は「承諾確認」ではない
オヤカクについて、現場ではよくある誤解があります。
それは「親の承諾を取るための制度」という理解です。
しかし実際の目的は違います。本質は内定辞退の予防です。
なぜ中小企業は親に反対されやすいのか
特に中小企業では、次のような理由で
後から反対されるケースが少なくありません。
たとえば
- 親が会社名を知らない
- 企業の安定性が分からない
- 将来性が見えない
- 地元企業で情報が少ない
こうした状況では、
「その会社大丈夫なの?」
と親が不安を抱き、最終的に内定辞退につながることがあります。
そのためオヤカクは、承諾を取る行為ではなく「企業の安心材料を伝える機会」として考えることが重要です。
オヤカクを行う際の注意点(コンプライアンス)
ただし、オヤカクは
やり方を誤るとトラブルになります。
中小企業が実施する場合は最低限次のポイントを押さえる必要があります。
本人の同意を必ず取得する
保護者への連絡は、必ず本人の同意を得てからが大前提です。
無断で保護者に連絡すると
- 個人情報トラブル
- 信頼関係悪化
につながる可能性があります。
承諾の強制にならない配慮
オヤカクは
同意の強制ではありません。
あくまで
- 企業説明
- 安心材料の提供
が目的です。
「辞退しづらい雰囲気」を作ると逆効果になることがあります。
個人情報管理を整備する
保護者の
- 氏名
- 連絡先
などを取得する場合は個人情報管理のルールを整備しておく必要があります。
これは企業のコンプライアンス問題にも直結します。
よくある誤解|社長が勘違いしやすいポイント
採用支援の現場でよく聞くオヤカクに関する誤解があります。
誤解①
「親に連絡するのは失礼」
実際には、調査では約7割が好印象と回答しています。
問題は「連絡すること」ではなく連絡の仕方です。
誤解②
「中小企業には関係ない」
むしろ逆で、親が企業を知らないほど辞退リスクは高くなる傾向があります。
誤解③
「採用担当が頑張れば解決する」
実際には
- 企業情報
- 安定性
- 労務管理
など
会社全体の見せ方が影響します。
失敗するとこうなる|採用現場のリアルなリスク
オヤカクを軽視すると、
次のような問題が起こる可能性があります。
たとえば
内定辞退の増加
せっかく採用しても入社直前で辞退される。
採用にかけたコストはすべて無駄になります。
採用ブランディングの悪化
「不安な会社」という印象が広がると応募数そのものが減少する可能性があります。
採用担当の負担増加
辞退が増えると
- 再募集
- 面接
- 内定
を繰り返すことになります。
結果として社長や人事の負担が大きくなります。
中小企業のための採用チェックリスト
一度、次のポイントを
自社に当てはめて確認してみてください。
- 内定後のフォロー体制は整っているか
- 会社の安定性や将来性を説明できているか
- 保護者が見ても安心できる資料があるか
- 内定辞退の理由を分析しているか
- 採用後フォローのルールがあるか
もし一つでも曖昧なら、採用プロセスの見直し余地がある可能性があります。
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