2026.02.10

【2026年対応】東京商工会議所「会社の魅力UP」から見えた評価制度の落とし穴|人が辞めないのに儲からない会社の共通点とは?【社労士解説】

「評価制度を整えれば、人は辞めなくなる」

そう信じて制度をつくり、運用しているにもかかわらず――
なぜか、人件費だけが増えていく。

社員は定着しているのに、利益が残らない。

賃上げの話になると、将来が不安になる。

そんな違和感を抱えていませんか?

2026年を見据え、人材確保・人材定着は、すべての中小企業にとって避けて通れない経営課題です。
しかし今、「良かれと思って導入した評価制度」が、会社の体力を静かに削っているケースが非常に増えています。

この記事では、東京商工会議所の最新の取組みをきっかけに、
社長が見落としがちな「評価制度の盲点」と、今すぐ見直すべきポイントを、社労士の視点で解説します。

東京商工会議所で、新たな取組みがスタート

人手不足が深刻化する中、
東京商工会議所 江戸川支部が「会社の魅力UPガイドブック」を作成しました。

現在、2700部の紙冊子を用意し、管内事業者へ配布を進めているとのことです。

目的はとてもシンプル。
人が辞めない会社を増やすこと。

自己診断チェックリストを通じて、

  • 働き心地
  • 職場環境
  • 会社としての魅力

を見直すきっかけを提供する、非常に現場想いの取組みです。

特に、建設業・運送業など、人の手が不可欠な業界ほど

  • 採用しても続かない
  • 条件を上げても人が定着しない

といった課題が深刻です。

そうした中で「会社の魅力」を改めて見直そうという方向性自体は、
まさに今の時代に合った、とても意義のある取組みだと感じます。

ただし…素晴らしい取組みだからこそ、気になる点も

全体として非常に良い内容で、
人材定着に本気で向き合おうとしている姿勢が伝わってきます。

ただ、実務の現場で制度設計をしている立場から読むと、
一つ、どうしても引っかかるポイントがあります。

それが、
ガイドブックの中で取り上げられている
「魅力ある評価制度」の考え方です。

評価制度は大事。ただし「評価軸」には注意が必要

ガイドブックでは、
会社の魅力づくりにおいて「魅力ある評価制度」が重要だとして、

  • 減点方式ではなく、加点方式で評価する
  • 日常業務をきちんとやり遂げる姿勢を評価する

といった考え方が示されています。

社員の頑張りが伝わりやすく、
モチベーション向上につながる点で、
とても大切な視点であることは間違いありません。

ただし――
評価軸や評価項目の設計を誤ると、別の問題を引き起こします。

隠れた落とし穴

その評価、粗利につながっていますか?

多くの会社で、こんな評価項目を見かけます。

  • 出勤率が良い
  • 責任感がある
  • 真面目に仕事をしている

もちろん、どれも大切です。

しかし冷静に考えてみてください。
これらは、社の粗利(給料・賞与の原資)に直結していますか?

多くの場合、答えは 「NO」 です。

その結果、

  • 評価は高い
  • 給料も上がる
  • でも会社は儲からない

という構造が生まれます。

評価では優秀でも、
実質的に会社の利益に貢献していない人が増えてしまう。
これが、人件費が重くなる最大の原因です。

本当に評価すべき行動とは何か

本来、評価されるべき行動は明確です。

  • 売価を上げる
  • 原価を下げる
  • 販売数量を増やす
  • 無駄な固定費を減らす

こうした数字につながる行動です。

評価制度は、
「気持ちよく働いてもらうための制度」ではなく、
会社が続くための仕組みでなければなりません。

評価制度は「お金の設計図」

評価制度は、賃金・賞与と必ず連動します。

評価項目を一つ増やすということは、
将来にわたる固定的な人件費増加の可能性を増やすことでもあります。

  • 評価が高い → 昇給
  • 評価が良い → 賞与原資の増加
  • 評価が曖昧 → 人件費だけが膨張

評価制度は、実質的に「お金の設計図」なのです。

人が辞めない会社=良い会社、ではない

社長が陥りがちな誤解があります。

  • 真面目で出勤率が良い社員を評価するのは当然
  • 加点方式にすればモチベーションは上がる
  • 人が辞めなければ制度は成功

一見正しく見えますが、
経営の視点が抜け落ちているケースが少なくありません。

評価軸を誤ると、

  • 評価は高いが粗利に貢献しない社員が増える
  • 賃上げを続けた結果、利益が残らない
  • 賞与原資が足りず、毎年社長が悩む
  • 評価への不満から社員トラブルが増える

といった事態に陥ります。

人が辞めない会社になっても、
会社そのものが続かなければ意味がありません。

今すぐ確認してほしいチェックポイント

一度、自社に当てはめて考えてみてください。

  • 評価項目は、売上・粗利・生産性とつながっているか
  • その評価が、将来の賃上げ原資を生み続けられる設計か
  • 社員の「頑張り」を数字で説明できるか
  • 評価制度・賃金制度・利益構造を別々に考えていないか

一つでも曖昧なままなら、
評価制度は「会社の魅力」ではなく「経営リスク」になります。

ロームが大切にしている考え方

ロームでは、評価制度を単体では考えません。

  • 評価制度
  • 賃金制度
  • 利益構造

この3つを必ずセットで整理します。

  • 「評価はしているのに、なぜ儲からないのか」
  • 「賃上げしても耐えられる設計になっているか」
  • 「社員の行動が、数字につながっているか」

こうした点を、社長と一緒に確認していきます。

無料相談のご案内

  • 評価制度が正しいのか不安
  • 今の賃金設計で将来も耐えられるか知りたい
  • 人が辞めない仕組みと利益を両立させたい

そんな社長の「今の不安」を、そのままお話しください。

無料オンライン相談(90分)では、

  • 制度の整理
  • 会社のリスク診断
  • 実務手順の設計
  • 規程改訂のポイント

など、その会社専用の対応方針をお伝えします。

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