
「賃上げしないと、人が採れない」
「でも、これ以上人件費を上げて、本当に会社は大丈夫だろうか…」
経営者の方とお話ししていると、
この2つの不安の板挟みになっている会社が本当に多いと感じます。
最低賃金の引き上げ、物価高、人手不足。
今や賃上げは「余裕がある会社だけの話」ではありません。
そんな中、鳥取県で少し珍しい取り組みが始まろうとしています。
それが「賃上げ診断」です。
賃上げを
「何となく」「周りがやっているから」で決めてしまう前に、
経営として本当に耐えられるのかを確認するための制度です。
この記事では、
鳥取県の賃上げ診断の内容と、
社長が見落としがちなリスク、
そして今すぐ会社として準備すべきことを詳しく解説します。
制度のポイント
今回、鳥取県が始める「賃上げ診断」は、
小規模企業・中小企業を中心に、賃上げの影響を事前に診断する制度です。
最大の特徴は、内容が非常に実務的であること。
売上高や営業利益といった数値をもとに、
- 自社の収益力がどの程度あるのか
- 賃上げによって人件費が増えた場合、経営にどのような影響が出るのか
- 賃上げ後、どれくらいの売上水準が必要になるのか
といった点を、感覚ではなく数字で可視化します。
対象は鳥取県内企業で、最大500社を想定。
ヒアリング後、約1週間で4枚程度の診断レポートが届く予定とされています。
「賃上げしたらどうなるのか」を
事前に確認できる点が、この制度の最大のポイントです。
対象となる企業と活用場面
この賃上げ診断は、
賃上げが避けられない一方で、判断に迷っている企業を主な対象としています。
たとえば、
- 人手不足が深刻で、採用に苦戦している
- 最低賃金の引き上げ対応に追われている
- 利益率が高くなく、人件費増加に不安がある
こうした企業にとって、
賃上げは前向きに考えるべきテーマである一方、
経営への影響を見極めずに進めるのは大きなリスクでもあります。
この診断は、
賃上げを決断する前に「経営がどこまで耐えられるのか」を確認するための制度です。
実際、鳥取県では
今年度実施された「3%以上の賃上げ」を要件とする補助金に、
600件を超える申請がありました。
今後は、こうした補助金申請の前提として、
この診断の受診を求める方針も検討されています。
「補助金があるから上げる」のではなく、
「上げても続けられるかを確認してから進める」。
賃上げの進め方そのものが、今まさに変わりつつあります。
なぜ県が“診断”まで行うのか
賃上げは「地域の雇用問題」だから
賃上げは、もはや
一社だけで完結する経営判断ではありません。
人材流出の防止、雇用の維持
さらには地域経済そのものの存続にも直結します。
無理な賃上げで企業体力が削がれれば、
結果的に地域全体が弱体化してしまう。
だからこそ自治体も、本気で関与せざるを得ないのです。
補助金だけでは限界が見えてきた
これまで多く見られたのは、
「賃上げしたら補助金を出す」という支援策でした。
しかし現場では、
- 補助金ありきの無理な賃上げ
- 補助金終了後の資金繰り悪化
といった問題も起きています。
そこで今、
「お金を出す前に、経営の体力を確認しよう」
という考え方へと、支援の軸が移りつつあります。
ここから見える“今の社会問題”
現在の日本は、
物価上昇、最低賃金の連続引き上げ、深刻な人手不足により、
「賃上げをせざるを得ない社会」になっています。
一方で、
- 利益率が低い
- 価格転嫁ができない
- 地方・小規模企業
ほど、賃上げがそのまま経営悪化につながりやすいのが実情です。
「上げないと人が来ない」
「上げると会社が苦しくなる」
この板挟みこそ、
今、多くの中小企業が直面している最大の問題です。
賃上げに必要なのは「判断の物差し」
賃上げは、
「やる・やらない」の二択ではありません。
重要なのは、どう判断し、どう進めるかです。
多くの企業で不足しているのは、
- いくらまでなら人件費増に耐えられるのか
- どれくらいの粗利が必要なのか
- 賃上げの効果をどう従業員に伝え、納得してもらうか
といった、判断のための“物差し”です。
ロームでは、ベースアップを前提に、
採用・育成・定着が無理なく回る経営体制づくりを、
実務ベースでサポートしています。
「自社の場合、どう考えるべきか分からない」
そんな段階からでも問題ありません。
一度整理してみたい、というところからご相談ください。
よくある質問
Q:賃上げ診断を受けたら、必ず賃上げしないといけませんか?
A:いいえ。判断材料を得るための制度です。
Q:小規模企業でも対象になりますか?
A:むしろ小規模企業こそ主な対象です。
Q:補助金申請との関係は?
A:今後は、補助金申請の前提として受診を求められる可能性があります。
まとめ
賃上げは、もはや
「やるか・やらないか」の問題ではありません。
どう判断し、どう進めるかが問われています。
鳥取県の「賃上げ診断」は、
賃上げを感覚ではなく、
経営判断として考えるための重要な材料になります。
ロームが提供できるサポート
ロームでは、賃上げ診断の考え方を踏まえ、
- 制度対応の要点整理
- 社内向け説明資料の作成
- 就業規則・賃金規程の改訂
- 社長の実務負担を減らす体制づくり
まで、まとめてサポートしています。
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