2024年10月から最低賃金が改定されました。
各都道府県で50円〜84円の引上げとなり、全国加重平均額51円の引き上げは過去最高額です。
- どうやって昇給原資を確保すればいいのか…
- これから自分の会社はやっていけるのか…
- 倒産するんじゃないかと不安…
と心配されていませんか?
さらには、2030年代半ばまでに最低賃金1,500円を目指し、毎年上げていく方針も決定されています。
どんどん人手不足が厳しくなる中、国は労働力確保のために中小企業から成長企業へ人を動かそうとしているのです。
この状況に対応しないと、企業は生き残れません。
本記事では、
- 最低賃金引き上げに対する国の狙い
- 最低賃金引き上げによる中小企業への影響
- 中小企業の勝ち残り戦略
を解説します。
最低賃金とは
そもそも最低賃金とは、法的に保障された最低限の賃金のこと。
国が最低賃金法に基づき賃金の最低限度を定め、使用者は労働者にその最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとされています。
パートやアルバイトも含めたすべての労働者に適用される、影響の大きな制度です。
最低賃金の対象とならないのは、臨時に支払われる賃金や賞与、時間外などの割増賃金、精皆勤手当などです。
基本給や精皆勤通勤・家族手当以外の諸手当が最低賃金の対象になると覚えておくとよいでしょう。
最低賃金に違反した場合の罰則は、50万円です。
50万円なんか大したことないと思われるかもしれませんが、10人に違反したら50万円×10人で総額500万の罰金です。
最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。
地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、高い方の最賃を支払う必要があります。
- 地域別最低賃金:各都道府県に1つずつ定められている最低賃金
- 特定最低賃金:特定の産業について設定されている最低賃金
地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会という流れで決定します。
まず中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会に対して、引上げ額の目安が毎年提示されます。
これをもとに、同数の労働者代表・使用者代表・公益代表による都道府県ごとの地方最低賃金審議会で地域の実情を考えて答申を出します。
そして、都道府県労働局長(または厚生労働大臣)が決定するという仕組みです。
2024年の中央最低賃金審議会においては、引上げ額の目安が50円と発表されていました。
それに対して都道府県ごとの地方最低賃金審議会から答申があり、50円〜84円の引上げが決定しました。
全国平均で51円という過去最高の引上げ額であり、引上げ率に換算すると5.1%です。
2024年10月から改定された各都道府県の地域別最低賃金額及び発効年月日は、以下のとおりです。
最低賃金引き上げの狙い
なぜ国は最低賃金をどんどん引き上げたいと考えているのでしょうか。
最低賃金の引き上げには、以下の4つの理由があります。
労働力を増やしたいから
最低賃金を増やしていきたい1つ目の理由は、人手不足なので労働力を増やしたいからです。
内閣府の日本経済レポートには、「最低賃金をアップすることで労働力を増やしたい」ということが書いてあります。
本章では、労働供給の拡大や家計所得向上のための論点を整理する。第1節では、最近の労働供給の動向を踏まえ、女性と高齢者に注目して労働供給の拡大余地について分析する。その際に、副業・兼業などを通した潜在的な追加就業希望の実現に向けた論点も整理する。第2節では、家計所得向上に向けて、転職を通じた賃金向上の可能性、最低賃金引上げやこれに密接に関わる就業調整への対応といった課題について考察する。
引用元:日本経済レポート
人口減少していく中で成長するには労働力の確保が必要なので、
- 女性と高齢者にもっと働いてもらうにはどうしたらいいか
- 副業や兼業を推進して働いてもらうにはどうしたらいいか
- 転職して賃金を上げるためにはどうしたらいいか
など、中小企業から成長産業に人を動かそうと国は真剣に考えています。
年収の壁を壊したいから
最低賃金を増やしていきたい2つ目の理由は、就業調整への対策です。
いわゆる年収の壁を壊したいということです。
パートさんにもっと働いてもらうにはどうしたらいいかを国が本気で考えているほど、人手不足が厳しい時代になっています。
最低賃金をどんどん上げることによって非正規労働者の待遇を良くしていきたい、そして働く人を増やそうと国は考えています。
しかし、パートさんの時給が上がっていっても給与額は上がっていないのが現状です。
「時給が上がると働く時間が短くなる」ことが統計にも現れています。
なぜ時給が上がると働く時間が短くなるのかというと、年収の壁があるからです。
だからこの年収の壁を壊して、パートさんにもっと働いてもらおうとしています。
これは、2024年10月の社会保険の適用拡大や主婦年金の廃止とも大きな関連性があります。
詳しくはこちらの記事や動画をご覧ください。
主婦年金廃止へ!社会保険適用拡大でどう変わる?
諸外国に引き離されたくないから
最低賃金を増やしていきたい3つ目の理由は、諸外国に引き離されたくないからです。
外国では、日本を上回るペースで最低賃金の引き上げが行われています。
日本でも最低賃金は上がっていますが、このままだと日本は外国に負けてしまいます。
日本の人口はどんどん減少しているので、外国人労働者を集めないと成り立たない状況になっています。
2023年10月時点の外国人労働者数は204万人。
前年より22万人も増えています。
労働者数は、日本語の得意な人が多いベトナム、中国、フィリピンが上位を占めています。
ところが実は、ベトナムなどの日本語が得意な人たちが集まりにくくなって、日本語が苦手なインドネシア、ミャンマー、ネパール人が急増しているという状況でもあります。
日本の最低賃金が低いので、日本以外の国で働こうとする外国人が増えています。
外国人労働者を確保しようという狙いからも、日本は最低賃金を上げないとまずい状況になっています。
税収と社会保険料を増やしたいから
最低賃金を増やしていきたい4つ目の理由は、税収や社会保険料を増やしたいからです。
国が狙っているのは、税率を変えずに税収を増やすこと。
賃上げと物価の上昇があれば、自然に税金は上がっていきます。
日本は累進課税制度なので、賃金(収入)がアップすれば、どんどん税金が高くなって国の税収が増えます。
そして物価が高くなれば消費税の税収も増えるので、実は日本の税収はこのように増えてきています。
最低賃金引き上げによる中小企業への影響
政府は、2030年代半ばまでに最低賃金を1,500円に引き上げようとしています。
2030年代半ばに最低賃金が1,500円になるためには、
1,500円-1,000円÷10=50円
1年に50円アップする必要があり、つまり今年の上昇額と同じです。
実質実効為替レート(円の実質価値)がどんどん下がり、ピーク時には200円近くあった価値が最近は70円ほどまで下がっています。
これは国がお札をどんどん刷ったためで、普通国債残高は増加しつづけ、2024年度末には1,105兆円に上ると見込まれています。
その結果インフレがますます厳しくなり、実質賃金が下がる。
そうすると生活できないので最低賃金を上げて、物価も高くして…としていくしかない状況になっています。
最低賃金や物価が上がれば税金や社会保険料も上がり、税収が増えます。
国は、そういった仕組みに乗っかって最低賃金をどんどん上げようとしているのです。
中小企業にとって最低賃金の引き上げは、とても厳しいものです。
物価が上がって仕入れが高くなり、そのうえ人件費も高くなり…厳しい状況に追い込まれていきます。
たとえば、最低賃金が50円上がるとします。
20日間×8時間=160時間だったら、それだけで8,000円増加。
残業を20時間してるとしたら、残業手当1,250円。
合計9,250円の人件費が増えます。
さらに、社会保険料や労災保険料、雇用保険料も当然かかります。
保険料分の1,530円を合わせると、10,780円の負担が増えることになります。
従業員が100人いるとしたら、毎月1,078,000円の負担増です。
かなり大きい額ですよね。
最低賃金が引き上げられたら中小企業の負担が増える
→倒産する中小企業が増える
→雇用が減る
→国が困るんじゃないか?
とお考えになるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし、国はまったくそう考えていません。
なぜかというと、労働力人口が激減するからです。
6,600万人いた労働力人口が1,000万近く減って5,600万人になるのは、あと6年後といわれています。
それに備えて、中小企業から人を剥がし、成長企業に円滑な労働移動をしようとしているのが国の狙いです。
つまり、生産性の低い中小企業よりも生産性の高い企業、高収益企業、成長企業に人を動かし、高収益企業がより容易に雇用を増やせるように、と国は考えています。
2025年4月の雇用保険の改正も、円滑な労働移動を目指すためです。
こちらの動画で詳しく説明していますので、よかったらご覧ください。
中小企業の勝ち残り対策
中小企業に非常に厳しい状況をもたらす、最低賃金の引き上げ。
この状況を乗り越え、勝ち残るための対策について解説します。
基本給を見直す
中小企業が勝ち残っていくためには、まず基本給を見直す必要があります。
最低賃金の対象になるのは、基本給と諸手当だけです。
精皆勤手当や通勤手当、家族手当は最低賃金の対象外なので、これらを廃止して基本給に振り替えると最低賃金対象がアップします。
賞与を削って基本給に回すのも効果的です。
- 精皆勤手当や通勤手当、家族手当を減らして基本給に回す
- パートさんに支払っている賞与を減らして基本給に回す
- 固定残業代を減らして基本給に回す
昇給原資がない企業はこういうやり方をしてでも、きちんと法律を守るようにしましょう。
昇給時期を変更する
昇給時期を4月にしているならば、10月に変更するとよいです。
もし昇給を4月とすると、
4月に40円昇給した。
→しかし最低賃金の引き上げがあり、10月にさらに10円昇給しないといけない。
という事態があり得ます。
最低賃金の決定額を考慮して昇給できるように、10月昇給にするとよいでしょう。
従業員から選ばれる魅力的な会社を作る
根本的な対策としては、従業員から選ばれる魅力的な会社を作ることが重要です。
従業員から選ばれる魅力的な会社とは、
- 労働条件がよい
- 働きがいがある
- 人間関係がよい
といった会社のこと。
従業員から選ばれる魅力的な会社を作るためには、
といったことを行い、粗利益中心の経営に変えて値上げ戦略をする必要があります。
お客様から選ばれる会社になる
私たちのお給料は、お客様からいただいた粗利益から支払われています。
私たちの仕事は、お客様がいて初めて成り立ちます。
つまり、お給料はお客様からいただいているのと同じです。
給与や労働時間の労働条件を良くするためには、現実的にお金が必要です。
企業が儲かっていなければ、無い袖は振れません。
儲かるためには何が必要かというと、高くても買いたくなる魅力です。
つまり、差別化できている必要があります。
お客様から「ありがとう、助かるよ」「すごいね」「だからあなたの会社から買いたいです」と言われる魅力的な会社を作りましょう。
中小企業は特別な技術があるわけではないし、安く売ることもできません。
だから、お客様から感謝されるにはお客様一人ひとりの悩みと望みを具体的に把握して、それを解決していく。
つまりお客様に質問したり、話をしっかり聞いたりできることが大切です。
マニュアル化する
従業員を戦力化するために、ベテランが無意識にやっている仕事を意識化し、手順・コツ・考え方で整理しましょう。
それをマニュアル化し、習慣化することで、生産性アップにつながります。
さらに、マニュアル化により未経験者の採用ができるようになるので、会社はどんどん強くなっていきます。
人時生産性を高める
そして、従業員の意識を変えることも重要です。
まず「昇給と成長のカギは人時生産性を高めること」を従業員に意識させましょう。
人時生産性とは、従業員1人が1時間あたりにどれくらいの粗利益を生み出しているのかを表す指標のこと。
「人時生産性=粗利益高÷総労働時間」の計算式で算出できます。
粗利益からお給料が支払われてるし、粗利益からいろいろな設備の費用も支払われているので、粗利益こそが幸せの源泉です。
だから、1時間当たりの粗利益を増やす取り組みに従業員を巻き込むことがすごく大切なのです。
労働生産性の推移をみると、中小企業と大企業では大きな差があります。
中小企業の労働生産性はずっと横ばいである一方、大企業は少しずつ伸びているので、中小企業と大企業の差は徐々に拡大しています。
つまり中小企業が昇給しようと思ったら、粗利益を増やすことがとても重要ということです。
そこで大切なのが、値上げと値下げによる労働条件のインパクトを理解すること。
70円で作ったものを100円で売ると、粗利は30円。
20円値下げして80円で売ると粗利は10円で、3分の1に減ります。
100円で売るときと同じだけの利益を稼ごうと思ったら、数を3倍売らなければなりません。
逆に、30円値上げして130円で売ることができたら、粗利は2倍になって販売数量は2分の1で済みます。
次に、給与などの固定費も含めて考えていきます。
70円で作ったものを100円で売ると粗利は30円。
10個売ると粗利総額は300円。
固定費200円だと儲け営業利益は100円。
【価格を1割下げて、販売数を1割増やした場合】
日本人が大好きな販売数量重視・売上重視のよくある会社のパターンです。
90円で売ると、粗利は20円。
11個売ると粗利総額は220円。
固定費200円を引くと、営業利益が20円になってしまいます。
【価格を1割高くして、販売数を1割減らした場合】
110円で売れば粗利益が40円なので、9個しか売れなくても360円の粗利総額。
固定費200円を引いても営業利益が160円です。
値下げすればするほど数を売る必要がある→たくさん作らないといけない→残業が多くなる→ブラック企業になります。
一方、値上げする→数を多く売らなくてよい→残業がない→ホワイト企業になります。
こういう基本的な経営の数字や営業利益の作り方を理解せずに経営されている方が多いので、ここから学び直すことが重要です。
そして、社長さんだけじゃなくて従業員一人ひとりがこのことを意識して働くことによって、賃金や労働条件がアップしやすい会社に変わっていきます。
ここで大切なことは、「戦略の選択」です。
値上げによる利益を確保しつつ販売数量の逓減を行っていくことは、とても重要です。
値上げして数を減らしていくことをしないと、生き残れない会社が増えていきます。
なぜかというと、人手不足が決定しているから。
6,600万人いる労働力人口が、たった6年後には1,000万人減って5,600万人になります。
国は、中小企業から労働力を引き離そうとしているのに、中小企業は本当に人手を確保できるのでしょうか。
値上げと販売数量の逓減をする。
最低賃金をきちんと払いつつ、人が少なくてもなんとかなる経営をする。
もしくは、
値上げをしながらさらに成長していく。
人手不足の状況でも優秀な人を確保できるほど、さらに労働条件を良くしていく。
という決定をしなければなりません。
厳しいですが、決定しないと生き残っていけないのです。
人手不足が当たり前の時代では、「止めること、見つけること」が大切です。
採算の合わない仕事、サービス、商品、儲かっていないお客様は断る必要があります。
そうでないと、会社が生き残れなくなります。
利益に比べて人手がかかるサービスや商品などがないか考えてみましょう。
省力化や機械化も検討しなければなりません。
たとえばスーパーではセルフレジの導入が増えたので、飲食サービスの大手中堅企業の生産性が上がってきています。
助成金を活用する
また、助成金制度を活用しながら生産性を上げるという視点も大切です。
たとえば、業務改善助成金(生産性向上のための賃上げをした場合に助成金がもらえる)という制度があります。
今回の最低賃金引き上げをきっかけに、生産性向上や助成金について検討してみるとよいでしょう。
賃金制度をベースアップ重視にする
中堅企業や中小企業は、賃金制度を定期昇給からベースアップ重視に変える必要があります。
ベースアップとは、従業員全員の基本給を一律に上げる制度のこと。
最低賃金が上がるときに有効的な手段です。
一方、定期昇給とは年齢や勤続年数によって、個々の給料が上がる機会がある仕組みのこと。
多くの中小企業や中堅企業が定期昇給重視の賃金制度を未だにとりいれていますが、最低賃金が1,500円まで上がっていくこの時代においてはかなり危険です。
大企業は「人件費の内転」が行われているので、定期昇給が簡単にできます。
「人件費の内転」とは、定年退職者と新規採用者の人件費の差の枠内で昇給原資が賄えるような状態のこと。
たとえば22歳から60歳まで各年齢に1人ずつ社員がいて、毎年1万円ずつ昇給しているとします。
新卒を一括採用しているような大企業だと各年齢層に社員がいるので、1年経つと、定年退職者が出る。みんな1歳年をとる。そこにまた新入社員が入ってくる。
全員がそれぞれ1ランク上がるだけで、賃金総額つまり会社の人件費としては同じなので、昇給原資は変わりません。
さらに大企業は、たとえば45歳で早期退職させる形をとり、人件費の内転を加速させています。
他方、中途採用が多い中小企業の場合は、1年経っても定年退職者が出ないので、人件費の内転が成り立ちにくいです。
さらに、ほとんどの会社が取り入れている等級制度にも問題があります。
等級制度とは、年齢や能力、役割などで箱をいくつか決めて、その箱に応じて給料を決めていく制度のこと。
特徴的なのは等級が上の人は昇給額が高いことで、偉い人ほど昇給額が大きい仕組みになっています。
たとえば従業員50名の会社で定期昇給を重視する賃金体系だと、定期昇給だけで404,000円(一人当たり8,080円)かかります。
昇給原資が50万円だとしたら、ベースアップに回せるのは96,000円だけ(一人当たり1,920円)になり、人件費のほとんどが定期昇給にとられてしまいます。
弊社ロームが勧めるベースアップ重視だと、従業員全員のお給料を一律9,000円上げます。
そして定期昇給分としては、本当に優秀なごくひと握りの10人だけを5,000円アップする形にします。
ベースアップにお金を多く回すことができれば、最低賃金の引き上げにも充分対応できます。
これからの時代は、ベースアップ重視にしていく必要があります。
人口がどんどん減少していくことで人材確保の競争率が上がり、最低賃金も跳ね上がっていくので、お給料が上がっていかない会社では勝ち目がありません。
たとえば、ローム流のベースアップ重視だと毎年全員が9,000円ずつ上がっていき、2024年には254,000円になります。
等級制度のある定期昇給重視の場合は、毎年1,920円しか昇給原資がないので211,520円までしか上がりません。
最低賃金ギリギリになってしまいますし、求人の際に差が42,480円もあるので、応募してくる人がかなり減ります。
ロームは実際にそういう戦略をとっており、850円からスタートして10年間で1,620円まで上げています。
残業代などを入れて327,000円で募集するので、募集人数1人の事務職に対し、応募者は200人という状況です。
これからは、等級制度をまず縮小していく必要があります。
さらには、できるだけ等級制度がないベースアップ重視の賃金の仕組みを作らないと、会社の求人に応募者が集まらなくなってしまいますよ。
まとめ
2024年10月に最低賃金の引き上げが行われ、さらには1,500円まで引き上げようという動きがあります。
最低賃金引き上げの狙いをおさらいしましょう。
労働力を増やし、さらには労働力を成長分野に移していきたいのが国の考えです。
働く人を増やすために、年収の壁を壊してパートさんの就労制限をなくそうとしています。
外国人にも働きに来てもらうために、諸外国に引き離されたくない考えもあります。
物価や賃金が上がると税収も社会保険料も自然に増えるので、最低賃金が上がるのは国は大賛成なのです。
ではこういった時代において中小企業が生き残るにはどうしたらよいかというと、以下の4つが挙げられます。
まずは、最低賃金の対象外である賞与や固定残業代を減らして基本給に回すこと。
ただしこれは小手先の作戦であって、いつまでも出来るわけではありません。
次に、4月昇給を10月昇給に変えること。
昇給時期を10月にすれば、最低賃金の動きを見てから昇給することができます。
3つめは、根本的な対策として従業員から選ばれる魅力的な会社を作っていくこと。
そのためには、差別化してお客様から選ばれる会社になる必要があります。
4つめは、等級制度を廃止してベースアップ重視の仕組みにすること。
粗利を意識した経営に従業員全員が参画できるような賃金制度にして、全員の能力やお給料がアップする仕組みにしましょう。
ロームが勝ち残り戦略をサポートします
本当に今、時代が大きく変わろうとしているところです。
成長しない・儲かっていない中小企業を、国が潰しにきています。
国の狙いをきちんと理解し、しっかりした勝ち残り戦略をもっている会社でないと、今後は生き残れません。
この記事を読んでくださったあなたの会社は、もう大丈夫です。
なぜならあなたは、ただ単純に「最低賃金50円アップか〜」ということだけを心配されている経営者とは全然違うからです。
国が労働力を中小企業から成長企業に移そうとしていることを知っているか知らないかで、会社の未来が大幅に変わってきます。
私はこれまで、ノウハウを学んで働きやすい会社を実現した会社をたくさん見てきました。この記事を読んでくださったあなたは、そんな貴重なノウハウの一部分をしっかり学ばれています。
実際に損しない・得するためには知恵を形にし、ノウハウを実行する必要があります。
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