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その賃金の決め方は適正なの?社長が賃金を決めるときのポイント

2017年03月21日

(*このページは2018年8月15日に更新されました)

「従業員の賃金を決めるときのポイントを知りたい」
「どんなことに注意して、給料を決めればいいか知りたい」

この記事はそんな社長さまに向けて書いています。

はじめまして
私は、静岡県浜松市で、社会保険労務士法人ローム代表の牧野ツヨシと申します。
上場企業を含む571社の顧問先の労務管理の相談にのっています。
20代では、労働組合専従(プロ)として、団体交渉の先頭に立っていた過去もございます(笑)。

今日は、労働基準法、人事労務のプロとして
知らないと怖い「賃金を支払うときのルールと決め方のポイント」を、できるだけ解りやすくお話しいたします。

そこには、どんなルールがあるのでしょうか?

今回は、従業員の採用、定着、活用で迷っている経営者の方に向けて、正しい賃金の決め方についてご紹介します。

賃金の概念

まず知っておきたいのが労働基準法における「賃金」の定義です。

「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何(いかん)を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」(第一章総則 第11条)

賃金になるのは、次のすべての満たした場合です。

(1)労働の対象であること
(2)使用者(≒会社)が支払うモノであること
(3)労働者に支払うモノであること

この3つを満たすと、どんな名称でも「賃金」となります。

逆に一つでも満たさないと賃金にはなりません。

「労働の対象でない」会社から労働者の支払いは、賃金ではありません。
具体的には、実費負担をおきなう「旅費日当」などは「賃金」ではないのです。

例えば、定価400円の給食を、会社が150円負担して、社員に250円で支給していた場合の差額150円は「賃金」ではありません。
他にも、福利厚生のために支給されるユニフォーム、社宅の貸与も賃金ではありません。

労働基準法の「賃金」に該当すると

賃金には、賃金支払いの5原則が適用されます。
使用者が、従業員に対して支払う賃金のルールのことです。
法律によって明確に5つのルールが定められていることから、5原則と呼ばれています。

なお、賃金支払いの5原則とは、具体的に次の内容をいいます。

(1)通貨払いの原則 (現金払い か 同意の上で振り込み)
(2)全額払いの原則 (法律に認められた天引きと労使協定書※がある場合だけOK)
(3)直接払いの原則 (労働者に直接しはらう、親、妻などへの支払いもダメ)
(4)毎月1回以上払いの原則 (少なくても毎月1回)
(5)一定期日払いの原則  (支払日を決めて、規則正しく※) 

※給食費や旅行積立を天引きする場合は、労働者の過半数を代表する者と「賃金控除の労使協定書」を結び必要があります。

※※賞与、退職金など例外。

この様に、賃金の支払い方にルールと手続きが必要になります。

一般的に月ごとに支払われる月給や1日の労働に対して発生する日給、アルバイトなど時間で換算する時給などがあります。

正社員であれば、家族手当や住宅手当などが就業規則や賃金規定で決められて、給料の内容に反映されます。

知っておくべき「就業規則」

会社で働いたことがある方の多くが「就業規則」という言葉を見聞きしたことがあるでしょう。
就業規則は、労働者の賃金や労働時間に関する規則や、職場内の規律などが定められたルールブックです。
就業規則があることで、従業員が安心して働くことができ、トラブルを防ぐことにもつながります。
もちろん賃金についても書かれており、就業規則を作る際に、賃金を決める正しいルールが必要になります。

実は、就業規則の決め方次第で、手取額や社会保険料、残業手当の支配額が変わることをご存じですか?

さまざまな法律の組み合わせで、手取額とコストが変わってきます。

例えば、家族手当は、従業員数に応じて支給されていると残業代の単価に含まれません。
住宅手当を支給するべきか、借り上げ社宅として貸与すべきなのか?
その結果、手取額や残業手当の単価に影響がでることをご存じですか?

本当のプロに相談すると、毎月のコストが大きく違います。

賃金額の決め方

給与額は、最低賃金法でも定められた額を下回らない限り違法ではありません。つまり、会社独自の算出法を用いても、何を根拠として給与を決めても良いのです。

・最低賃金法
賃金は、労働者の生活を支えなくてはなりません。国の景気や会社の状況によって賃金が低くなり過ぎるのを防ぐ必要があります。そのためにこの最低賃金法があります。
最低賃金額は各都道府県によって違い、東京では、時給958円(2017年10月)と定められています。

たとえ労働者が同意したとしても、これより低い金額での契約は認められません。
このため、もし法律より低い金額で働いてしまっても、法律によってそれは無効となり、会社は最低賃金との差額×働いた時間分の賃金を支払う義務が発生します。

最低賃金には、皆勤手当や通勤手当は算定から外されてしまいます。

・手取りを多くするのが良いのか?
・求人に有利にするのが良いのか?
・出勤率を上げるのが良いのか?

同一労働同一賃金の問題もありますので、正社員の賃金、手当を決めるということは、契約社員、パートの時給、手当にも影響がでることをご存知ですか?

実は、社長であるあなたが、どんな結果を望むのかで、どの手当を選択するのか変わります。

手当の種類、手当の額、基本給の決め方で、従業員の求人、採用、定着、育成、その後の躍に大きな差が生まれます。

最低賃金額で雇えるのか?

ここで問題になのが「最低賃金で社員を雇う・雇い続けることができるか」ということ。
仮に東京で正社員として1日8時間、月に20日間働いたとします。

958円×8時間×20日=157,600円(2017年10月)

となり、月収15万7600円となります。しかし、ここから社会保険や所得税などが引かれて、およそ13万近くになるでしょう。
家賃・生活費などを考慮すると収入が13万円の状況で、東京で生活することは非常に困難です。雇用主がいくら従業員を雇いたいと思っていても人材が見つからない恐れがあります。

以上から、会社は、従業員の生活の安定と、モチベーションを持続できる金額を設定しなければいけません。人材不足の中、賃金水準が高い会社は有利です。

しかし経営上、どうしても、最低賃金額を基準に賃金を支払わざるをえない会社もあります。
その場合には、どんなことに気をつければ良いのでしょう?

いずれにしても、賃金の設定する際には、プロに相談されることをお勧めします。

10人以上雇う時は就業規則を

10人以上雇う時は就業規則を

労働基準法第89条には、常時10人以上の労働者を雇う会社は、就業規則を作成し行政官庁に届け出なければならないと記載されています。
この10人には、パート・アルバイトなども含まれており、これらを含む従業員の代表者の意見書を添付しなければいけません。
このことから就業規則は、事業主が勝手に作成・変更することができず、賃金においても従業員の意見が反映されるようになります。

事業主が従業員を雇う際は、働く地域の最低賃金だけでなく、近隣地域の一般的な生活費、ライバル企業の求人額などを考慮しなければいけません。

今は、人口減少社会です。ライバルより少し高目に設定しておくことをお勧めします。人手不足が深刻です。そんな中で昇給を考えている社長さまいらしゃるかも知れません。昇給に助成金が使える場合がございます。そんな情報が気になる方は、助成金に詳しいプロにご相談をお勧めします。

従業員がモチベーションを保ち、
安心して働けるかどうか、
会社として長期的に安定して、優秀な人材を確保するためにも安心して働ける賃金と環境を用意する必要があるのです。

社員の給与の決め方、払い方は、ノウハウがあります。労働時間、休憩の取り方、休日、休暇の設定、パート、契約社員の労働条件と複雑に絡み合って決めていかなければなりません。

ノウハウを知っているか、知らないかで、大きな差が生じます。あなたさまは、大丈夫ですか?

キチンとしたノウハウを持っているプロに、早めにご相談されることをお勧めいたします。

私どもは、北海道から沖縄まで全国に顧問先がある社労士事務所です。
電話、SKIPE、ZOOMでご相談が可能です。

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